いびきは、空気の通り道である上気道(のどや鼻)の中にある粘膜が、呼吸をしたときに振動を起こして音が出るという症状のことを言います。睡眠中に咽頭や舌の筋肉の緊張が低下したときや、アデノイドなどの鼻疾患、咽頭部の障害によって気道が閉塞するときにおこります。いずれも睡眠中は空気の通り道(気道)がふさがれ狭くなり、そこに空気が通ると粘膜が振動し、いびきの発生となります。
主な原因としては肥満、アルコール、薬物、アデノイド、咽頭部の異常、鼻疾患などが考えられます。
いびきはその症状によって「単純いびき症・上気道抵抗症候群・睡眠時無呼吸症候群(SAS)(閉塞型睡眠時無呼吸症候群)」と、大きく3種類に分けられています。
■ 単純いびき症 |
この症状は世間一般に「いびき」と呼ばれるものです。睡眠時無呼吸症候群のように睡眠中に息が止まってしまったりしない「いびき」なので、病気ではありません。しかし、慢性的にいびきをかいていると、それが原因でさまざまな病気や疾患に繋がることもあります。気になる方は専門医の診察を受けた方が良いでしょう。 |
■ 睡眠時無呼吸症候群 |
睡眠時無呼吸症候群の人の9割以上が「閉塞型睡眠時無呼吸症候群」ではないかといわれています。これは睡眠時に舌を支える上気道(鼻から喉頭の部分)の筋肉がゆるみ、気道が完全に塞がれ呼吸が一時的(具体的には10秒以上)に止まってしまう呼吸障害が、1時間に5回以上あらわれる状態のことをいいます。 |
■ 上気道抵抗症候群 |
何らかの原因によって、上気道が狭くなったことによりいびきをかく事で昼間激しい眠気に襲われたり、睡眠時に必ずいびきをかいたりする症状のことです。上気道抵抗症候群は、「脳血管障害・心臓病(心疾患)・糖尿病」などの徴候として現れる可能性が高いともいわれています。 |
いびきを防止し、改善、解消するには、まずは自分が何が原因でいびきをかいているのかを知ることが大切です。また、比較的軽度のいびきの場合は家庭でのちょっとした工夫や日常生活の改善で治ることもあります。
■ 横向きで寝る |
仰向けで寝ることは、いびき(睡眠時無呼吸症候群)の大きな原因ですので、「横向きで寝る」ことを心がけるだけで、いびきを改善、解消することが期待できる場合もあります。気道を拡げることができ、一時的な処置としても効果があります。 |
■ 肥満解消(ダイエット) |
肥満により喉周りに脂肪がついていると、気道がより狭くなるため、いびきをかきやすくなっている場合があります。この場合はまずダイエットが先決と言えるでしょう。 |
■ 口呼吸を治す (鼻呼吸へ戻す) |
いびきは口呼吸をしているときにおきますので、口を閉じることで、自然と鼻呼吸を促すことになり、いびきが改善されるというものです。口にシールを貼る方法もあります。鼻炎の方は鼻炎を治すことで、就寝時に鼻呼吸できるようになります。 |
■ 寝具(枕)を変える |
上気道が狭くなる枕などの「寝具」を使用していると、いびきの原因となってしまいます。寝具を自分に合ったものに変えることが必要になってきます。 |